2025年2月6日、ブラジルの国家衛生監視庁(ANVISA)は決議第961号(RDC 961/2025)を発行し、プラスチック食品接触包装および機器に関する許可物質リストに重要な改訂を導入しました。この更新は、最新の科学的研究および南米南部共通市場(MERCOSUR)の技術調和要件に沿ったものであり、消費者の健康と食品安全の保護を強化することを目的としています。
この決議は、2012年のRDC 56規則の下で「許可されたモノマー、開始剤およびポリマーのリスト」に以下の2つの物質を追加します:
1. モノマーおよび開始剤:TMBPF-DGE
- 化学名:テトラメチルビスフェノールFジグリシジルエーテル(TMBPF-DGE)—テトラメチルビス(4-ヒドロキシフェニル)メタンとエピクロロヒドリンの反応生成物。
- 適用範囲:飲料缶の内面用の水性ポリマーディスパージョンコーティングに限定。
- 特定移行限度(SML):
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- 0.2 mg/kg (TMBPF、TMBPF-DGE、TMBPF-DGE·H₂O、およびTMBPF-DGE·2H₂Oの合計);
- 0.05 mg/kg (TMBPF-DGE·HCl、TMBPF-DGE·2HCl、およびTMBPF-DGE·HCl·H₂Oの合計)。
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2. ポリマー:PAI-2(ポリアミドイミド2)
- 化学名:4,4'-メチレンジアニリンとベンゾフェノン-3,4-ジカルボン酸無水物の反応から得られるポリマー。
- 使用制限:
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- 高温調理器具用コーティングのバインダーとしてのみ許可されており、最大コーティング厚は60マイクロメートルまで。
- 最大連続使用温度:230°C、短時間耐熱(15分以下)で250°Cまで許容。
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この決議は公布と同時に発効します。関連企業は新しい制限に準拠するため、製品の配合および製造プロセスを速やかに見直す必要があります。ANVISAは輸入および国内生産の食品接触材料の検査を強化し、違反企業には製品回収や行政処分が科される可能性があります。