台湾、中国はPFAS、シブトリンおよびその他の有害化学物質の管理を強化

2025年5月8日、台湾環境省化学物質管理局は、有害化学物質の分類および取扱い管理と関心化学物質の分類および取扱い管理の改正を発表しました。新たにパーフルオロオクタンスルホン酸（PFOS）、パーフルオロオクタン酸（PFOA）、ノニルフェノール（NP）、ノニルフェノールポリエトキシレート（NPEO）、およびシブトリンが有害または関心化学物質として追加され、厳格な管理措置が実施されます。新規制は2025年6月1日に施行され、化学物質による環境および健康リスクの低減を目指しています。

規制対象の357種のパーフルオロ化合物

PFOSおよびPFOAはパーフルオロアルキル化合物（PFAS）に属し、非常に分解されにくく生物蓄積性があり、食物連鎖を通じて生態系や人間の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。国連ストックホルム条約はPFOAおよびその塩類を廃絶リスト（付属書A）に、PFOSおよびその塩類を制限リスト（付属書B）に掲載しています。改正ではPFOS関連化合物5種およびPFOA関連化合物352種が追加され、特定の産業および研究目的に限定して使用が制限されます。さらに、PFOSおよびその塩類および関連化合物、PFOAおよびその塩類および関連化合物の毒性分類がカテゴリー1、2、4に調整されました。

シブトリンの濃度全面管理

N'-tert-ブチル-N-シクロプロピル-6-(メチルチオ)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン（シブトリン）は、生物濃縮性と明確な毒性のため、国際船舶有害防汚システム管理条約に準じて関心化学物質に指定されています。その管理濃度および運用方法が定められ、防汚塗料、システム、およびバイオサイドの製造における使用が禁止されています。既存の事業者には、プロセス調整または代替物質の探索のため1年半から2年の猶予期間が設けられています。

関心化学物質を現在取り扱う事業者は、指定された期限内に以下の事項を完了しなければなりません：

NPおよびNPEO用洗浄剤のより厳格な管理と製造の全面禁止

内分泌かく乱作用が知られているNPおよびNPEOは、天然ホルモンを模倣し人間の発育に影響を与える可能性があります。2007年以来、有害化学物質として指定されています。この改正により管理がさらに強化され、NPの毒性分類は1,3,4に、NPEOは1,4に調整され、管理濃度は5％から0.1％に引き下げられました。家庭用および工業用洗浄剤、繊維加工、金属加工、紙製造における使用は禁止されます。ただし、完全回収、焼却、または管理された排水処理システムや設備で除去され、国内市場での使用や販売が行われない場合は例外とされます。

環境省は段階的廃止のスケジュールを設定しています：

• NPおよびNPEO濃度≥5％：2026年12月1日より施行。
• 濃度0.1％～5％およびその他のCAS番号の物質：2027年6月1日より施行。

改訂された使用リスト

追加項目のタイムライン

新たにリストされたNP、NPEO、PFOSおよびその塩類および関連化合物、PFOAおよびその塩類および関連化合物に関する必要な措置を指定された期限内に完了するためのタイムラインを遵守しなければなりません。

この改正は、台湾が世界的な環境動向に積極的に対応する姿勢を反映しています。化学物質の管理を強化することで、環境汚染や健康リスクの低減を図るとともに、産業のより環境に優しい持続可能な方向への転換を促進することを目的としています。

詳細情報

環境省（MOE）