2025年9月15日、欧州化学機関(ECHA)は、その社会経済分析委員会(SEAC)が2026年3月の会合で、パーフルオロアルキルおよびポリフルオロアルキル物質(PFAS)の制限提案の評価案を完成させる予定であることを発表しました。制限提案の最新版、第14版は2025年8月に公開されました。会合後、60日間のパブリックコメント期間が開始されます。
背景
PFAS制限提案はデンマーク、ドイツ、オランダ、ノルウェー、スウェーデンによって共同で作成され、2023年1月にECHAに提出されました。2023年3月から9月にかけて行われた第一回目のパブリックコメントでは、5000件を超える業界からの意見が寄せられました。2025年8月20日、ECHAは改訂された第14版のPFAS制限提案を公開し、8つの追加業界分野の評価を含みました。具体的な改訂内容については、前回のニュースをご参照ください:
https://www.chemradar.com/en/news/detail/ew0wlmxfdurk
提案されている濃度限度
既存情報の分析に基づき、個別物質として販売されるPFAS、PFASを含むその他の物質、配合成分、混合物、または製品に対して以下の強制可能な閾値基準が提案されています:
- 25 ppb:単一のPFASに対する限度(ポリマー型PFASを除く、ターゲットPFAS分析法を用いて決定);
- 250 ppb:すべてのPFASの合計量に対する限度(ポリマー型PFASを除き、前駆体を分解するオプションを含むターゲットPFAS分析法を用いて決定);
- 50 ppm:総PFAS含有量の限度(ポリマー型PFASを含む)。
総フッ素含有量が50 mg F/kgを超える場合、製造者、輸入者、または下流使用者は、執行当局の要求に応じて、測定されたフッ素がPFAS由来か非PFAS由来かを証明する証拠を提供しなければなりません。
パブリックコメントの詳細
- 時期:SEACは2026年3月初旬に意見案を形成する予定であり、会合直後にコメント期間が開始されます。
- 形式:コメントは構造化されたアンケート調査の形式で行われ、参加者はさまざまな業界におけるPFAS使用制限の潜在的影響について質問に回答します。参加者はまた、これらの広く使用されている化学物質の代替品の入手可能性および実現可能性に関する具体的な情報を提供する必要があります。すべてのフィードバックは各調査トピックの対応するQ&A欄に直接入力する必要があり、添付ファイルは受け付けられません。
- 機密性:機密としてマークされた情報は適切に取り扱われます。PFASリスク評価に関連する情報は本コメントの範囲外であり、リスク評価委員会(RAC)が別途評価します。
- 対象者:業界代表者、非政府組織、研究者、一般市民を含むすべての関係者。
- 情報の取り扱い:すべての機密情報は規則に従って処理され、フィードバック内容は指定された質問欄に直接入力する必要があります。
関係者の準備を支援するため、ECHAは2025年10月30日にオンライン説明会を開催します。具体的な議題およびコメントガイドは公式ウェブサイトで公開されます。コメントガイドは、委員会が最終決定の参考にできる情報を提出するための支援としても公開されます。
今後の予定
SEACは2026年末までに最終評価結論を形成し、PFAS制限提案に関するECHAの科学的評価作業を正式に完了します。