2025年3月19日、欧州化学機関(ECHA)は、2025年に開催されたリスク評価委員会(RAC)と社会経済分析委員会(SEAC)の初の合同会合後、化学規制における重要な進展を発表しました。両委員会は、PFAS(ペルフルオロアルキル物質およびポリフルオロアルキル物質)の規制提案を含む主要課題について複数の技術的合意に達し、EUの化学規制枠組みに新たな段階を示しました。
会合の主なハイライト
1. REACH規制提案の進展:PFAS多セクター評価
2023年1月にデンマーク、ドイツ、オランダ、ノルウェー、スウェーデンが共同提出したPFAS規制提案が中心議題となりました。議論は以下に焦点を当てました:
- フルオロ化ガス用途:両委員会による技術評価が進行中。
- 輸送およびエネルギーセクター:RACは特定用途の中間結論を確定し、SEACは初期の社会経済影響評価を開始。
今後の議題(2025年6月会合):
- 医療機器および潤滑剤:RACとSEACによる共同審査。
- 輸送およびエネルギー:SEACによる継続的な議論。
- 電子機器および半導体:RACが予備評価を開始予定。
今後の会合では、電子機器・半導体用途および残存セクターの詳細評価を優先します。
2. 調和分類および表示の更新
RACは化学物質分類に関する13件の改訂意見を採択し、以下の2件が注目されました:
- 硝酸銀:生殖毒性(カテゴリー1B、受胎・発達への影響)および発がん性(カテゴリー2)が追加され、9つの危険有害性区分で警告が更新されました。
- 合成アモルファスシリカ:長期・反復吸入による呼吸器障害を引き起こす物質としての分類(STOT REカテゴリー1)が提案されました。
3. 化学物質認可申請の進展
- RACは17件の認可申請に関する意見案を作成しました。
- SEACは6件の申請を審査し、4件の認可意見および3件の評価報告書を確定しました。
- 技術的詳細はECHAの公式ウェブサイトで閲覧可能です。
今後の展開
RACとSEACの合同意見は間もなくECHAのプラットフォームで公開されます。関係者は技術文書を確認し、公式ポータルを通じて意見を提出することが奨励されています。
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