2026年9月7日、欧州委員会は、残留性有機汚染物質規則(Regulation (EU) 2019/1021、「POPs規則」)を改正し、附属書Iに長鎖ペルフルオロカルボン酸(C9–C21 PFCA)、その塩及び関連化合物を収載することにより、これらの製造、市場への上市及び使用を禁止する委任規則を採択しました。本規則は、EU官報に掲載された日の20日後に発効し、2026年12月16日から適用されます。
規制の対象
規制対象には、直鎖状及び分岐鎖状のC9–C21 PFCA(一般式:CnF2n+1COOH、ここで8 ≤ n ≤ 20)、その塩、並びにC9–C21 PFCAに分解又は変換され得る関連化合物が含まれます。ただし、CnF2n+1X(X = F、Cl、Br)およびPFOAに関する記載で既に規制対象となっているPFOA関連化合物は、重複して対象には含まれません。
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番号 |
CAS番号 |
EC番号 |
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1 |
375-95-1 |
206-801-3 |
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2 |
335-76-2 |
206-400-3 |
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3 |
2058-94-8 |
218-165-4 |
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4 |
307-55-1 |
206-203-2 |
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5 |
72629-94-8 |
276-745-2 |
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6 |
376-06-7 |
206-803-4 |
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7 |
141074-63-7 |
— |
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8 |
67905-19-5 |
267-638-1 |
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9 |
57475-95-3 |
— |
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10 |
16517-11-6 |
240-582-5 |
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11 |
133921-38-7 |
— |
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12 |
68310-12-3 等 |
269-701-9 等 |
特定の適用除外
- 物質、混合物又は物品中に非意図的微量汚染物質(UTC)として存在するC9–C21 PFCAおよびその塩:合計濃度 ≤ 0.025 mg/kg
- 物質、混合物又は物品中に非意図的微量汚染物質として存在するC9–C21 PFCA関連化合物:合計濃度 ≤ 0.26 mg/kg
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対象製品 |
C9–C14 の上限値 |
C15–C21 の上限値 |
移行期限 |
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ペルフルオロアルコキシ基を含むフッ素樹脂/フッ素ゴム |
≤ 0.1 mg/kg |
≤ 15 mg/kg |
2030年12月16日 |
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PTFEマイクロパウダー(電離放射線又は熱分解により製造されたもの) |
≤ 1 mg/kg |
≤ 15 mg/kg |
2030年12月16日 |
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泡消火薬剤(設置済みのB類火災用消火システム) |
≤ 1 mg/kg(塩) / ≤ 10 mg/kg(関連化合物) |
左記と同じ |
2028年8月3日 |
- 2030年以降:上記製品のC9–C21 PFCA合計含有量には、より厳しいC9–C14基準(0.1 mg/kg又は1 mg/kg)が一律に適用されます。
- 除染済みの消火システム:フッ素系泡消火薬剤中のC9–C21含有量の合計は ≤ 10 mg/kgでなければなりません。
- 半導体スペアパーツ:2023年末までに市場に上市された電子機器のスペアパーツに使用されるC9–C14化合物は2030年12月30日まで適用除外とされ、当初から当該物質を使用していた半導体スペアパーツに使用されるC15–C21化合物は2031年12月16日まで適用除外とされます。
- 既に使用されている物品:2023年末より前に既に使用されていた、C9–C14化合物を含む物品、および2026年12月17日より前に既に使用されていた、C15–C21化合物を含む物品は、今後も使用することができます。
ChemRadarの見解
フッ素含有材料分野の企業は、自社製品と原材料がC9–C21 PFCAを含有するかどうかを確認するため、直ちにサプライチェーン調査を開始し、不純物が適用除外の限度内に収まるようにする必要があります。また、企業はEU市場へのアクセスを失わないよう、規制対応の期限を注視すべきです。CIRSはPOPs規則の動向を注意深く追跡し、最新情報を企業に提供します。
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