2026年8月24日、日本の厚生労働省(MHLW)は、 労働安全衛生規則を一部改正する省令案について、2026年9月23日まで意見公募を開始しました。この改正は、安全データシート(SDS)およびラベルの通知事項を中心とし、新たに4項目を追加するもので、日本市場に流通する化学物質のSDS作成・提供義務に直接影響を与えます。
改正内容
現行の労働安全衛生規則第34条の2の4は、SDSおよびラベルの通知事項を規定しています。改正案では、同条に以下の4項目を追加することが提案されています。
- 成分の識別番号:成分を識別できる番号であり、CAS登録番号など、その成分に固有の番号として広く使用されているもの(そのような番号が付与されていない物質を除く)。
- 適切な呼吸用保護具:その成分に適した呼吸用保護具の種類(防毒マスク等を使用する場合の吸収缶の種類を含む)。
- 不適切な手袋素材:その成分に適した不浸透性保護手袋の素材として不適切な物質。
- 成分の化学分類:含有される各成分について、特別規則の対象物質、リスク評価の対象物質、皮膚障害等を引き起こすおそれのある化学物質、発がん性物質、濃度基準値が設定されている物質などを含む、適用される法令等に基づく規制分類の表示。
改正の背景
この改正案は、厚生労働省労働基準局安全衛生部化学物質管理に関する専門家会議が2024年8月30日に取りまとめた令和6年度中間取りまとめ(危険有害性情報の通知に関する部分)に基づいています。中間取りまとめでは、SDS等の提供義務の遵守率は約90%であり、約10%の事業場が依然として義務を果たしていないこと、通知事項の充実が必要であることが指摘されました。一方、虚偽通知に対する罰則は、2025年5月14日に公布された労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律によって強化されています。日本塗料工業会(JPMA)は、関係企業に対し、改正案を慎重に検討し、積極的に意見を提出するよう呼びかけています。
ChemRadarの見解
上記の動向を踏まえ、CIRSは日本市場に関わる企業に対し、以下の3点に注意するよう促しています。
- SDS作成要件が引き上げられます:改正が施行されると、SDSおよびラベルには新しい4つの通知事項を記載しなければなりません。企業は既存のSDSを新しい項目に照らして事前に確認し、改訂や社内プロセスの調整に時間を確保すべきです。
- 意見募集期間を活用してください:改正案に対する意見や質問がある企業は、2026年9月23日までにe-Govパブリックコメントポータル(https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/detail?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495260154&Mode=0)から提出できます。
- SDSが真実かつ正確であることを確保してください:虚偽通知に対する罰則が強化されたことから、企業はSDSの作成・更新時に、すべての記載事項が真実かつ正確で、根拠に基づくものであることを確保すべきです。
CIRSのサービス
CIRSは、日本の化学物質コンプライアンスに関わる企業に以下のサービスを提供できます。
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- 所管官庁および専門家との連絡・相談
- 規制トレーニングサービス
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